「自動運転物流・人流による地方創生」について考えてみる!
市内でのタクシーや自家用車の自動運転化は自動車メーカーにとって巨大なマーケットであり、各個人にとっても日常の足となる身近な存在なので注目が集まる。また、フィジカルAIが全ての人の眼前に実用化される現象なので分かりやすい。人類究極の夢の実現でもある。一方で、基礎インフラとなる幹線輸送での自動運転化の広がりとか世界を矮小視してないだろうか。
「基幹物流」ではなく「基幹人流」という変わった観点で、自動運転化を眺めてみる。
幹線輸送での大型トラックでの自動運転化の実証試験は「一般道を経由する物流拠点間」という段階まで来たが、一方、遠距離バスについてはどうなのであろうか。既に、愛知県などでは、中部国際空港へと向かう高速道路(知多半島道路など)において、大型観光バスを使った全国初の高速道路走行実証が行われている。
当社は、横浜町田IC周辺や厚木南IC周辺において「自動運転対応の物流施設」の整備計画を進めているが、実はそのエリアの中に長距離バス向けのバスターミナル(「バスタ」)の整備も計画している。折角、幹線輸送を自動運転化するなら物流だけでなく人流についても考えよう、とのことである。
さて、東名阪間を自動運転バスを走らせたらどうなるか。
長距離トラック輸送と長距離バスの課題とコスト構造は似ている。ドライバー不足は両者の最大の課題であるし、ドライバーの人件費が輸送コストの半分を占めることも同様である。現在、東京・大阪間の高速・夜行バスの料金は、片道およそ3,000円から12,000円前後となっている。(平日や4列の普通席は安いが、週末や3列の独立席、高級シートでは高くなっている)
これを自動運転化したらどうなるか。車両価格が高くなるとしても、2/3程度にまで抑えられるのではないだろうか。車両へのEtoEの実装化が当たり前の世界になれば、半額ということもあり得るかもしれない。しかも、基幹物流施設に「バスタ」を併設すれば、追加のインフラコストも最小限で済む。
急ぐ商談はリモート会議やリニア新幹線を使い、急がない人は安い「自動運転長距離バス」を使うかもしれない。
現在、バスの自動運転化は「ドライバー不足」の観点からしか語られていないが、物の移動コストと同様に人の移動コストも下げられる可能性がある、ということである。
これはどういうことに波及するかというと、首都圏と地方都市の移動コスト、移動のしやすさということに現れる。
現在、首都圏の新築マンションの平均価格は、約1億135万円となっています。特に東京23区では1億5千万円を超える高水準が続いている。しかも都心部では投機的な購入や短期転売が増えており、所有者の住民票や実際の居住実態がない住戸が一部のマンションで7割に達するケースも報じられている。
これでは「普通の人は首都圏に住めない」ということである。こんな馬鹿らしいことはないが、国会でもあまり取り上げられてない。神奈川県でも湯河原等は中古マンションなら500万円台でも買えるものがある。少し無理すれば通勤は可能であるし、リモート会議で対応できるなら、それで済んでしまう。しかも、毎日、温泉に浸かることも可能である。
「住めないなら住まなければいいのではないか」というのが、筆者の提案である。
ここらで、本題の「自動運転物流・人流による地方創生」について考えてみよう。
物も人も「基幹輸送の自動運転化」で安く、(ドライバー不足という)人的制約になく移動できるのなら、物も人も、さらに産業も一緒に地方に移転してしまってはどうだろうか、というのが、次の提案である。
目下、政府や自治体は、地方経済の活性化と雇用創出を目指し、AIや半導体などの戦略産業に関連する企業や研究機関を地方へ集積させる「産業クラスター計画」や「地域未来戦略」を推進している。
また、さらに、7月には大規模災害時に東京圏の行政・経済の機能を代替する副首都法が成立した。①産業競争力の強化や経済活動の拠点の形成②交通網や都市基盤の整備③国の機関や特殊法人の拠点整備等が柱になっている。
これまでの都市は、明治以来、特に地方中核都市においては鉄道の駅を核として都市が形成されて来た。人流だけでなく物流においても、戦後のモータリゼーション化の前には、高速道路網が整備されていなかったので、貨車による物流が主流であった。今なお、日本通運や福山通運といった老舗運送会社に「通運」という名称がついているのは、その名残である。
(通運(つううん)とは、鉄道を利用して貨物を運ぶ事業、及びその仕組みのことで、法律上は「鉄道利用運送事業」と呼ばれている。荷主の家や会社から駅までのトラック輸送と、駅と駅との間の鉄道輸送を組み合わせて、一貫した貨物輸送を行っているが、現在ではトラック輸送のみでの輸送形態が主流となっている)
しかしながら、地方の県庁所在地の駅前の商店街は今やゴーストタウンのような状態で、郊外の大規模ショッピングセンターへと人流・物流の中心が移ってしまった。
そこで、第3番目は具体的な提案である。
「物流に人流と産業の方を合わせてしまう!」ということである。
筆者は「自動運転に対応した高速道路直結型物流施設」の整備を長年提唱してきたが、さらに高度化して「自動運転に対応した高速道路直結型都市」の形成を提言したい。・・・だいぶ前から国会議員の先生方には提言してきているが。
人のコミュニケーションはリモート会議でも可能であるが、物流はそういう訳に行かない。そうであれば、物流がスムーズに行われる場所に「人・物・金」を集めて都市を形成した方が合理的である。
「自動運転長距離バス」により首都圏と地方都市が極めて安い料金で至便に行き来が可能になるのであれば、1億円以上払って首都圏に住む意味があるであろうか。
現在は、某デベロッパーにより「自動運転に対応した高速道路直結型物流施設」の整備が進みだしている。一方、大手デベロッパー各社は、「インフラ・インダストリー事業」と称して、物流施設、再生可能エネルギー設備、データセンター、工場など、社会や産業の基盤となる施設を開発・整備する事業として、従来の住宅やオフィスビル中心の開発から離れ、次世代の産業構造や社会の変化を支える領域へと進出している。
・・・たまたまか、同様志向をしていたのか、当社が「自動運転に対応した高速道路直結型物流施設」のコンサルに入った先である。
「自動運転に対応した高速道路直結型都市」とは、その先進モデルと捉えることが可能であると筆者は考えている。
地方都市の人口減少やそれに伴う鉄道路線の廃止などが俎上に上がっている。それでは増々、地方都市が寂れてしまう。
「高くて住めない首都圏」「寂れてしまう地方都市」の双方を「自動運転に対応した高速道路直結型都市」により解消したいものである。
以下、ベースとなるコンセプトである1.自動運転・電動化・デジタル情報ネットワークによる「デジタル田園都市国家」の実現と2.「自動運転物流による日本列島改造!」を図解したものと併せて、①高速直結型都「地域活性化まちづくり」三位一体モデル②同「IC近接型モデル」③「地方経済圏からの輸出振興策モデル」を添付した。
1.自動運転・電動化・デジタル情報ネットワークによる「デジタル田園都市国家」の実現
→それぞれを単体の政策として扱うのではなく、一体的・有機的なインフラ整備として考える。
https://fukugo-butsuryu.com/materials/178694856340401.pptx
2. 「自動運転物流による日本列島改造!」
→自動運転物流を単なる物流改革と捉えるのではなく多方面にわたる社会改革と捉える。
https://fukugo-butsuryu.com/materials/178694867341301.pptx
①高速道路直結型「地域活性化まちづくり」三位一体モデル
→高速道路・ICに直結した「まちづくり」として「産業振興」「地域敦煌」「農業振興」のバランスの取れた職住近接・交通至便な「郊外型まちづくり」を考案
https://fukugo-butsuryu.com/materials/178694885462301.pptx
②IC近接型モデル」
→様にIC近接エリアでも同様な「まちづくり」が可能
③「地方経済圏からの輸出振興策モデル」
→地方の基幹物流拠点(高速道路直結・IC近接)をインランドポートとして輸出入の拠点として整備、横浜港等の国際港と直結させる。
https://fukugo-butsuryu.com/materials/178694900645301.pptx
2026年08月17日 15:08
